[1073]華僑とチャイナタウン

2019年3月10日

1週間ほどカナダのトロントに行ってきました。ここの見どころとしては世界一の高さを誇る人工構築物のCNタワー(ギネスブック掲載)、そして世界一の長さを誇るトロントのメインストリート・ヤング通り(全長1896km・ギネスブック掲載)。そしてやっぱりありましたチャイナタウン。

日本でも横浜、長崎、神戸のチャイナタウンが有名ですが、チャイナタウンは世界中にあります。ベトナムに行ったときも華僑の町があり、そこの寺院に祀られているのはその地で偉業をなした初代華僑でした。

もともと中国人は長い歴史を持つ国ですが、その歴史の中で動乱も多くあり、そのたびに中国本土から離れなければならなかった事情もあったのでしょう、世界中に散らばっている中国人です。

もともと商売が上手で、持ち前のバイタリティと向上心が先住民をしのぎ、その地域では経済・文化的に重要な地位を占めるのも華僑と呼ばれる中国人だったりします。華僑は出身に対して強い帰属意識を持つ場合が多く、この意識が強大なチャイナタウンを構成するのです。

ちなみに、華僑とは中国国籍を持ったまま他国に永住権をもつ中国人をいい、他国で国籍を得たものを華人といって区別します。初代は華僑であっても、生まれた二世は華人のことが多いです。華僑は中国政府にも認められている制度で中国からの支援も厚いと聞きます。永住権を持たないものは華僑とはいわずまた華人ともいわず、単なる「海外にいる中国人」として扱われます。

日本では野球の王貞治さん、歌手のジュディ・オングさん、アグネス・チャンさんが華僑です。アグネス・チャンさんはカナダで出産しているのでその子はカナダ国籍の華人ということになります。

最近日本では華僑という言葉に「成り上がり者」という蔑視した考えもあることから、華僑という表現を避ける場面も出てきているようです。状況を判断して使いましょう。

ちなみに、トロントにはギリシャ人街、ポルトガル人街、イタリー人街もありました。

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