[824]片頭痛(へんづつう)

2013年5月25日

偏頭痛と書く場合もありますが読みは(へんづつう)です。(へんとうつう)ではありません。正しい医学用語としては「片頭痛」です。また扁頭痛は扁桃腺と混同したものでしょうがこれも違います。頭の片方が痛くなるから片頭痛。

といっても、頭痛の部位がいつも片方というわけではありません。全体が痛くなったり、痛い部位がいつもと違う場合もあります。片頭痛の特徴はズキンズキンと脈動に合わせて痛むこと。無意識にコメカミを押さえることがありますが、押さえると若干痛みは収まります。

片頭痛は頭の血管が拡張して起こる頭痛です。頭痛のメカニズムは今までよく分からなかったのですが、最近かなり解明されてきました。頭痛の原因は主に血管の収縮拡張にあります。血管が収縮して起こる頭痛が緊張型頭痛。そして血管が拡張してその周囲の神経を引っ張るために起こるのが片頭痛です。片頭痛の原因はセロトニンの作用によるものです。

セロトニンは血液に含まれている物質で、血管の収縮を司る物質です。セロトニンが多く分泌されると血管は収縮します。この時点では頭痛はありません。しかし収縮作用をしたセロトニンが居なくなると、今度は反動で血管が拡張します。このときに片頭痛が起こります。

従って、偏頭痛を予防するには、拡張した血管を収縮させれば直るということになります。ただしセロトニンを投与すると全身の血管が収縮し狭心感、顔の紅潮、しびれ感が起こるため、セロトニンに代わるものを投薬をします。

代わりに用いられる薬はエルゴタミン。これはセロトニンと作用ししかも安全です。ただし、残念ながら市販薬には含まれておらず、この薬を手に入れるには医師の処方が必要となっています。また、新薬のため知らない医師も多く居るようですので、頭痛に詳しい評判の病院を訪ねるといいでしょう。

ちなみに血管を拡張させやすくする食品というのがあります。赤ワインに含まれるヒスタミンは血管を拡張させる物質が多く含まれています。またチョコレートに含まれるチラミンは血管を収縮させる物質であり、それが無くなると逆に血管が拡張し、頭痛を引き起こします。チーズもヒスタミン、チラミンを多く含みます。いわゆるポリフェノールを含む健康食品といわれるものに意外と片頭痛の原因があったりするので注意しましょう。

片頭痛を防ぐには日頃の食事にも気をつけたいものです。片頭痛には野菜や豆を中心にした食事が効果的。ビタミンAが多く含まれる緑黄色野菜や牛乳・乳製品は血管の異常な拡張・収縮を抑える働きがあります。また果物、ジャガイモ、緑茶に含まれるビタミンCや大豆・豆製品、ゴマ、落花生、ウナギ、シジミなどに含まれるビタミンEも欠かせません。細胞を活発にしバランスを整える、大豆・豆製品、卵、豚肉、焼のりなども効果があります。