[821]貧血

2013年5月25日

貧血は文字通り血が足りなくなることをいいます。厳密には血液に含まれる血液細胞の不足です。血液は全身に必要な栄養分を運んでいるので、貧血になると身体は重大な危機に陥ります。血は足りているのだけれど必要なところに行き届かない場合も貧血と同じようになります。立ちくらみやめまいも貧血の一種ですが、これは一部に血が行き届かないことで起こるので、しばらく安静にしていれば回復します。

ところで、貧血というのは一種の老化現象であることが分かっています。ということは貧血をうまく防ぐことができれば老化も防げるということになります。

赤血球や白血球、血小板などの血液細胞は、もとになる造血幹細胞が二つに分裂してできます。分裂した片方は赤血球など血液を構成する細胞になりますが、もう片方は造血幹細胞として残ります。そして再度分裂を繰り返して必要な赤血球などを何回も作るのです。

ところが、残った造血幹細胞が活性酸素に遭うと、なんと血液細胞に変化して造血細胞ではなくなってしまうことが判明しました。そうなるともう血液細胞を作ることができません。必然血液細胞が足りなくなり、貧血を引き起こしてしまう結果になります。つまり活性酸素が貧血を引き起こし、結果的に老化を早めてしまうということになります。

貧血を防ぐには、体内の活性酸素をできるだけ除去して、造血幹細胞を健康に保つことが大事なのです。