[788]変わる血液型

2013年10月12日

血液型は一生モンだ、という風に考えられていますが、最近ではそうも言えないようです。性格が変わると、血液型も変わる・・ということはありませんが、血液型が変わるということは骨髄を移植することによってはありえるのです。

原発事故など大量に放射線を被曝したような場合、その人は電子レンジの中に入ったような結果となり全身がやけどを負ったように損傷します。放射線による被曝は表面のみならず内部にまで損傷が及ぶので始末が悪いのです。特に骨髄が損傷しますと血液を造ることができなくなり生命の存続が難しくなります。

このような状況に行なうのが骨髄移植です。健康な骨髄を移植して血液を正常に作らせるのです。骨髄の提供者をドナーといいます。ドナーの骨髄を検査し被移植者と適合すれば移植できるわけですが、この移植した骨髄がドナー由来の血液型の赤血球を作ります。元の血液型と同じものを作るとは限らないんですね。

ちなみにマッチングを行なうのは「骨髄バンク」ですが、ここでは善意の骨髄提供希望者の白血球の型(HLA)のデータを蓄積し、移植希望の患者さんとマッチさせるものです。つまり白血球の血液型を適合させて行なうのであって赤血球の血液型はあまり関係ないとのこと。結果、赤血球の血液型が変わることがありうるのです。

骨髄の移植は簡単で、被提供者の場合は静脈注射のみで完了します。しかし、ドナーのほうは大変で、苦痛が伴ううえ入院が必要なのです。そのため最近ではお産のときに不要となる胎盤から臍帯血幹細胞を採取して移植する方法が一般的となってきました。こちらは骨髄バンクに対して臍帯血バンクといいます。