[766]クリスマスケーキ

クリスマスといえばケーキ。最近ではコンビニでクリスマスケーキの予約をするのが定番という人も増えたようですが、ケーキはやはりケーキ屋さんで買いたい。ケーキ屋さんにしてみればこの時期は一番のかきいれどき。お客を逃す手はありません。趣向を凝らしたバラエティケーキもお店のケーキ職人の腕の見せ所です。

昔はクリスマスケーキといっても生クリームケーキとバタークリームケーキがあって、生ケーキは嬉しかったけど、バタークリームケーキは嬉しくも何ともなかった思い出があります。それくらい生ケーキは美味しかったし、バタークリームケーキまずかった。しかし買ってきてくれるのが滅多に来ないおばあちゃんだったりすると、面と向かってまずいともいえないし、子供心に困った憶えがあります。

クリスマスの晩にしかもイブに家族全員揃って、デコレーションケーキを囲みメリークリスマスと祝うのは、じつは日本独特の風習です。いかにも外国からの伝来のようですが、洋菓子のメーカーの老舗「不二家」が戦後デコレーションケーキの売上増進のために仕掛けた新しい風習なのです。

この風習はヒットし、ケーキのみならずイチゴの消費も爆発的に発展させました。イチゴは海外では、ジャムやグラッセにするのが普通ですが、日本では生食が盛んで、その消費は世界一です。寒い冬のクリスマスに、赤いイチゴが似合うのでしょうね。

クリスマス用のイチゴはもちろんハウスで栽培しますが、その品種競争も日本独特のものです。ちょっと前までは「女峰」がトップでしたが、食味で勝る「とよのか」首位を奪取。返り咲きを狙うのが新種の「とちおとめ」です。石垣イチゴの新種である「あきひめ」も人気です。いずれにせよ、生食イチゴの品質はいまのところ他の追従を許さず、日本の独壇場です。

ところで甘い生ケーキに合うイチゴですが、イチゴに多く含まれるキシリトールは砂糖などと違って虫歯の原因である酸を作りません。また虫歯の原因菌の活動を抑える働きもあり、虫歯予防に一役買っているのです。