[748]ウォッカ(VODKA)

2013年5月18日

ウオッカはロシアやポーランド生まれの酒で、ブランデーやウイスキーと同じ蒸留酒の仲間です。ウォッカの語源は「生命の水」というロシア語からきています。ウォッカというとジャガイモで作られた酒といわれることがありますが、ジャガイモは元々ロシアには無かった穀物で、最初はライ麦やハチミツで作られたものと考えられています。その後、ロシア革命で逃げ延びたロシア人が世界に分散し、世界中にウォッカが広まり、小麦やとうもろこし、ジャガイモで作る製法が逆に故郷に帰ってきたのではないかと思われます。

このように戦争が異国に文化をもたらすのは珍しいことではなく、日本でも例があり、抑留されたドイツ人やロシア人が日本に帰化し、チョコレートやバウムクーヘンなどのお菓子を定着させたのは有名なハナシですね。よどんだ水が腐らないよう神様はたまに人類をマドラーでかき混ぜるのでしょうか?

さて、ウォッカは小麦やライ麦、とうもろこしなど雑穀から作られるので、強くて癖のある酒と思われがちですが、じつはそうではなく非常に癖の無い飲みやすい酒です。これは、一度蒸留してグレーンスピリッツ(約95度)を作り、それを水で40~60度まで薄めてから、白樺を焼いた活性炭で濾過するという方法で作るので、飲みやすくなるのです。活性炭でのろ過は何回も行い、回数が多いほど上質とされます。

アメリカでもウォッカは盛んに製造されていて、1939年頃にはカリフォルニアを中心に、フルーツジュースで割るカクテルが人気となりました。癖が無いために強い割にフルーティーな味わいとなるので、女性に人気です。といっても女性を酔わせるということで、人気があるのは男性に、といえなくも無いですが。

有名なカクテルとしては、オレンジジュースで割った「スクリュードライバー」。グレープフルーツジュースで割り、グラスの淵に塩を付けた「ソルティードッグ」。ジンジャーエールで割りライムを加えた「モスコミュール」。トマトジュースで割った「ブラッディーマリー」などこうして例をあげると定番といわれるものが多いのに気づきます。

有名な銘柄は「ストリチナヤ」「スミノフ」「フィンランディア」「ビボロワ」などが有名。その他香りをつけたウォッカも有名で、ズブロッカ草の茎が無造作に入った「ズブロッカ」も人気があります。ここにあげたのはいずれも本物と言われるものなので、機会ありましたら是非飲んでみてください。