[688]ウニ(雲丹、海胆、海栗)

日本では寿司屋に行けばウニは一年中食べられますが、本来は夏の食べ物です。なかでも美味しいとされるのが三陸のウニ。ウニはワカメを主食としていますが三陸はワカメも美味しい。美味しいワカメを食べて育ったウニも美味しいと、こういう訳です。

ウニはご存知のように、イガ栗に似た棘のある外観を持つを生物ですが、実際に動き回る時には棘よりも多くある吸盤を使って移動します。水揚げされたウニは吸盤は引っ込んでいますのであまり目に触れないので知らない人も多いでしょう。

ウニを割りますと中に黄色い卵巣が見つかります。これを食べるわけです。よく見かけるのは「ムラサキウニ」と「バフンウニ」。国産だけでなく中国・韓国・北米・南米・ロシアからも毎日沢山空輸されて来ます。国産といっても多くはロシア産を国内で剥いたウニが多い。その結果安いウニが食べられるというわけです。

魚屋さんでウニを買うときは見た目に騙されてはいけません。きれいに粒の揃ったウニは形が崩れないようミョウバン漬にしてあるものが多いからです。ウニを食べた時にざらざらと苦いと思ったことがあると思いますが、これがミョウバン付けのウニの味です。

新鮮なウニはミョウバンにつけていませんので味が全く違います。そのかわりウニの卵は油脂分が多くすぐに溶け出してしまいます。表面がなんとなくとろけているようなウニはむしろミョウバン漬にしていないものかもしれません。

現地では風味を損なうミョウバン漬を避けて日持ちさせるためには塩漬けあるいは塩水漬にしたりします。しかしとどのつまり、ウニは産地に出かけてその地域の有名店で食すのが一番ということになりそうです。