[674]ズーノーシス

人獣共通感染症をズーノーシスといいます。動物由来感染症ともいいます。正式には1975年に国連のWHOにおいて「脊椎動物と人間の間で通常の状態で伝播しうる疾病(感染症)」と定義されています。

ズーノーシスの病原体は、細菌やウイルス、アメーバ、寄生虫など人間が感染するのと同じ病原菌で、これらを保有する動物に舐められたり、咬まれたり、排泄物に触れたりすることで人間に感染する病気です。現在150種類程の感染症が世界界保健機関(WHO)で確認されており、そのうち30種ほどが日本でぼ感染を確認されています。

ペットや動物を飼う上で、ズーノーシスをいたずらに恐れる必要はありませんが、ズーノーシスに対する知識と予防方法は必要だと思います。安心してペット楽しく過ごすためにも正しい知識と予防策を学ぶ事が大事ですね。

近年、今までは知られていなかった新しいタイプの感染症や、すでの撲滅されたと思われていた感染症の再流行などが報告されています。輸入動物から感染する、あるいは海外で感染し、知らずに帰国して感染を広げる、など今までにない展開です。

日本で発症しているズーノーシスのほとんどはきちんとした飼育方法さえ身に付けていれば過度に恐れる必要はありません。清潔な飼育環境、動物との過度の接触(口うつしに食べ物をあげる、キスをするなど)を避ける、触った後は手を洗うなどの適切な方策を採っていればまず大丈夫。またワクチンや予防注射で防ぐことができる病気も多いので飼い主は心して飼育に心がけ必要ながあります。

狂犬病:

犬、猫、その他ほ乳類からの噛みキズによって感染します。犬には年1回の予防注射が義務づけられている。日本では根絶したといわれますが海外ではまだまだ残っている病気です。海外では知らない犬を構うことは止めましょう。またコウモリも感染しますので、コウモリに噛まれたら迷わず病院で診察を受けます。小さい傷だからといって簡単に考えると命取りになります。

トキソプラズマ症:

妊婦さんは注意しなければならないのがこれ。猫によって感染します。抗体を持っていれば心配はありませんが、抗体のない妊婦が、抗体のない猫を飼育している場合は注意が必要です。

ウエストナイルウイルス脳炎:

最近ニューヨークで大発生した病気です。本来は鳥の病気で、蚊の吸血により鳥の間で感染が広がります。ウイルスに感染した蚊に刺されることにより、人、馬、ネズミなどの動物にも感染します。感染すると3~6日の潜伏期で、インフルエンザ様症状を呈します。時に無菌性髄膜炎、脳炎が起こり(15%程度)過去の流行例では致死率4~8%主として50歳以上の人が発症する

その他、肺炎に似た症状を起こすオウム病、人気のミドリガメにいるサルモネラ菌、逆に人間から動物に感染する結核などもあります。また成人の健康な人の場合は大丈夫でも、免疫力の弱い子供やお年寄り、病気になっている人などは感染しやすいので、そういう人が家庭にいる場合は、より慎重な注意が必要です。

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