[670]クルミ

クルミは一年中手に入れることができ、いまさら秋の味覚、というわけでもないですが、本来は秋の味覚です。そしてクルミは栄養価も高く、野生の動物たちにも人気があります。野生のリスなどは春から待ち遠しそうにクルミの木を見回りに来るそうです。まだかな?まだかな?

クルミはクルミ科の落葉高木で、日本に自生するクルミはオニグルミとヒメグルミ。オニグルミは堅く、ヒメグルミはそれよりやや柔らかい。私たちが食べるクルミは、じつは種です。あのまま木になっているわけではなく、果実がブドウのように房になって木からぶら下がっています。その実のなかのタネがクルミという訳です。

クルミは殻が堅いですが、リスやねずみはかじって簡単に穴をあけてしまいます。頭の良いサルは石で割って食べることを知っています。クルミはカラスの大好物でもあります。カラスはくちばしでつついたり、木の上から落としたりしてクルミを割って食べますが、そのほかにもとっておきの方法を知っているようです。

それは走ってくる車のタイヤにひいて貰って割る方法です。頭の良いハシボソカラスは、クルミを道路に置き脇でクルマが通過するのを待ちます。そういう光景がもう20年も前から見られるとか。しかし、運良くクルマがひいても、実が飛び散ってしまうので、おいしく食べられるのかどうかは定かではありません。

カラスはクルミを土の中に保存する習性があり、とっておきのクルミを掘リ起こしてはクルマにひかせているのでしょうか。そして、掘り起こすのを忘れられたクルミは翌年芽を出すことになります。

クルミの木は堅く家具に向いているので木材としても重宝されます。クルミは英語でウォールナッツといいますが、よくきくウォルナット仕上げとはクルミの木で仕上げた家具またはそれに似せた風合いを持つものをいいます。

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