[669]重傷と重体

ニュースで報道される事故情報。重傷とか重体とか軽傷とか全治何ヶ月とか色々な言い回しがあることに気づきます。今日そのあたりを少し整理して述べたいと思います。

事故で怪我をしたときにその状況を具体的に指標するのが「重傷」「中傷」「軽傷」です。この分類は警察庁など官公署での事故の分類に使います。官公署では「重体」「危篤」などは使わず、重い怪我はあくまで「重傷」であり「重体」とはいいません。

一方「重体」「危篤」とは官公署ではなくそれを伝える報道機関が怪我の状況をわかりやすく報道するときに使います。報道を受けるほうにとっては命に別状がないかどうかが重要事項だからでしょう。この場合「重体」は「重傷」者のうち脳や内臓に大きな損傷を受け生命の危機に瀕している場合をいいます。重体と報道されるとちょっと心配ですね。

軽傷とは傷病程度が入院加療を必要としないもの、重傷とは傷病程度が全治1ヶ月以上の入院加療を必要とするものをいい、中傷とは傷病程度が重傷または軽傷以外のものをいいます。腕骨折などは命に別状はありませんが、全治1ヶ月以上となり分類上では「重傷」になります。

では「全治」とはいったい何かということになりますが、「全治」とは「全有効治療期間」のことです。つまり治療にかかった期間であり「完治」までの期間ではないことに注意します。

ちなみに「死亡」報道は初診時において死亡が確認されたものをいいます。また即死とはすぐその場で死ぬことをいい、交通事故に遭遇して24時間以内に死亡すると交通事故死、24時間以上経過した後に死亡した場合は交通事故が原因で死亡した、となります。