[664]温泉効果

日本は火山国であり、また地震国です。火山による被害や地震被害が定期的にやってくる事実がそれを物語っています。しかし一方で火山国であるがための恩恵もあります。その筆頭に選ばれるのはなんといっても温泉でしょう。ゆったりと温泉に浸かれば地震や火山のことなど忘れ、至福の気分になってしまうのは神が与えた飴と鞭といえるのではないでしょうか?

温泉が体に良いとされるのには温泉に浸かることで体に刺激を与えるからです。その刺激は主に3つあります。

温熱刺激:

入浴すると「熱い」とか「ぬるい」とかを感じます。これは感覚を刺激しているわけで、この刺激を温熱刺激といいます。温熱刺激は脳にある体温調節中枢を刺激し活発化します。同時に温泉で温められた血液が全身を巡り、体表だけでなく体の奥まで温め、血液の循環やリンパ液の循環を促進し、自律神経を刺激し、疲労回復冷え性の改善、精神の沈静などの効果をもたらします。

物理刺激:

人間は陸地で自然に生きられるようにできています。呼吸もなんら意識せずされています。ところが、水中では水圧によって肺やその他の臓器が圧迫され、無意識にされていた呼吸を今度は意識してするようになります。これにより循環器が活性化し筋力の回復につながります。

化学刺激:

温泉には成分として炭酸ガスや硫化水素、無機塩類が多量に含まれています。これらの成分はイオン化して皮膚を刺激し、あるいは皮膚から取り込まれ血行を促進するなどの効果があります。

温泉には以上の効果がありますが、温泉が出ない地域ではそうそう温泉地に赴くのも大変です。そんなときに活躍するのが入浴剤。温熱刺激と物理刺激は普通のお風呂でも効果ありますが、化学刺激は入浴剤を入れることで効果が見込めます。

最近では入浴剤として備長炭や木酢液が注目を浴びています。備長炭には焼かれる時に生成されるミネラル分が多量に含まれており、お湯に入れますとそれが溶け出し柔らかいお湯になります。多孔質な備長炭は吸着力があるのでお湯の汚れを防ぐ効果もあります。

また、木酢液は懐かしい焚き火の匂いがしますが、その匂いの陰には大量のフィトンチッドが隠れています。つまり、森林浴をしているのと同じ沈静効果があるのです。

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