[657]2002年ノーベル賞

今年のノーベル賞は、物理学賞の小柴昌俊さんに続いて化学賞でも田中耕一さんの受賞が決まりました。日本初のダブル受賞です。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、そのときに賞金約3000万円が両氏に贈られます。

ノーベル賞はダイナマイトを発明したノーベルの遺言にもとづき1901年にスウェーデンで創設されました。「物理学」「化学」「生理学・医学」の自然科学3分野と「平和」「文学」「経済学」の六つの分野の受賞者が毎年10月に発表され、創設者アルフレッド・ノーベルの命日に当たる12月10日に授賞式が行われます。

気になる賞金額は毎年上昇し、今年は約1000万スウェーデン・クローナ(約1億3000万円)。年々増額されており、80年から10倍近くになっています。賞金は受賞者の数で配分されることになります。ノーベル賞は現存する栄誉で最高のものとされているので、高額な賞金も当然のことでしょう。

ノーベル賞は発明や発見に対して贈られますが、過去の例を見ると必ずしも適確に選考されるとは限らなかったようです。フィビガーの「寄生虫発がん説」(1926年)は後に完全否定されましたし、精神分裂病治療のためのロボトミー手術(1949年)も倫理的批判が起きて現在は行なわれていません。

また受賞者といっても最近はチームで研究が行われることが多く、結果的にそのチームのチーフが受賞者として選ばれてしまうため他の研究者からは不満が続出するのが現状となっています。

青色発光ダイオードの特許をとった技術者がその報酬として10万円しか受け取っていないとし、巨額な訴訟を起こすなど、企業とその開発者との確執が浮き彫りになる例が多くなってくるでしょう。今回の受賞者の田中耕一さんも島津製作所の社員ですが、研究成果に対する報酬は1万5千円だったと報道されています。いかにも少ないですねぇ。しかし開発したのは仕事時間中ですからその成果は会社のものですし。特許や技術が会社の命運を左右する時代だけに難しい問題です。

ノーベル賞日本人受賞者
【物理学賞】湯川秀樹、朝永振一郎、江崎玲於奈、小柴昌俊
【化学賞】福井謙一、白川英樹、野依良治、田中耕一
【生理学・医学賞】利根川進
【平和賞】佐藤栄作、
【文学賞】川端康成、大江健三郎

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