[627]階段といっても

何気なく上り下りする階段。私も運動不足解消のため、エレベーターを使わずなるべく階段を上り下りするようにしていますが、この階段にも色々な決まりがあるのです。

階段といってもゆるやかな階段や急な階段もあり、設計によって上り下りがしやすいということもあるようです。ではどのような階段が楽に上り下りできるのでしょうか?

階段は足の付く部分を「踏面(ふみづら)」といい、一段の高さを「蹴上げ(けあげ)」と呼びます。この「踏面」と「蹴上げ」のサイズのバランスが上り下りしやすい階段のカギになります。といっても自由に決められるわけではなく、階段の「踏面」と「蹴上げ」の寸法や幅は建築基準法によって決められていて、建物の用途によって異なるのです。

たとえば小学校なら、踏面26cm以上、蹴上げ16cm以下です。また一般的なオフィスビルなどでは、踏面24cm以上、蹴上げ20cm以下に決められています。階段の使いやすさは歩幅で決まります。大人が自然に上り下りできる「踏面」と「蹴上げ」の寸法は合計で45cmくらいがよいとされています。

階段の途中には、学校や映画館など人の集まるところでは高さ3m以内ごとに、またオフィスビルでは高さ4m以内ごとに「踊り場」を設けることになっています。学校や多くの人々が一度に集まる映画館、集会場のような建物では、火災や事故などの場合にも安全に避難できるよう安全な設計にしなければならないからです。

ちなみに、ごく普通の木造ニ階建住宅の場合、階段の段数は絞首刑台と同じ13段です。一般住宅の場合、1階の床から2階の床までの高さが2.7~2.9m、一段の高さが21~22cmであることに関係しています。

東京では地下鉄大江戸線が開通し、これでますます東京の地下鉄はわかりにくくなりました。大江戸線は地下鉄の中でも最深部にある路線で、階段の上り下りが大変そうです。車椅子の方は専用のエスカレーターがあるところをチェックしておけば大丈夫なようですね。