[615]スズメバチ

ハチの中でも最も危険なのはスズメバチです。スズメバチにも種類があり国内に生息するのは7種類ほど。その中でもオオスズメバチとキイロスズメバチは攻撃性が強く、集団被害の原因となるのも主にこの2種とされています。スズメバチの巣は丸く軒下などに作られます。これは縁起物としてよく古い旅館などに飾られているのを見ることがあります。

スズメバチの被害に遭うのは主に8月から10月にかけて。この時期はコロニーを作る時期なのでハチは興奮しているのです。またスズメバチの天敵は熊。したがって黒い色を警戒します。アウトドアを楽しむ時は黒い色の服は避けたほうが無難。またニオイにも反応するのであまり強い香水をつけるのは危険ですね。

蜂の巣を発見したら駆除しなければなりませんが、自分で出来ない時は市役所などに頼むと出動してくれます。自分でやる場合は殺虫剤などを使わずに掃除機で吸い込む方法がベスト。白い服で身を固め、帽子ゴーグルで全身を覆います。掃除機の吸い口を巣の入り口に近づけたままじっと待ちます。巣から出るハチや巣に戻ってきたはちを吸い取ります。飛んでいるはちを吸い込もうとしても難しいです。ハチのコロニーは約500匹(種類によって異なる)ですから、吸い込まれたハチを勘定して500匹前後居たらほぼ退治は完了です。

ハチに刺されないようにするにはハチを興奮させないこと。一匹でも興奮させると攻撃フェロモンによってそこに居るハチすべて興奮しますから注意が必要です。逃げる時はかがんだまま静かに後ろに下がります。横に逃げると反応して刺されることが多い。

運悪く刺されたときは、まず落ち着いて傷口をよく流水で洗う。毒液を搾り出すなどの素人診断はしないで、すぐ医者にかかる。ハチの毒よりもアレルギー反応のほうが怖い。これはアナフィラキシーといい、アレルギー体質の人は2度目以降に刺された場合には免疫反応が起こり危険な状態に陥ることがある。刺されたら下手な治療をせず、すぐ医者のところに行きましょう。

なお、アナフィラキシーはよくアナフィキラシーとかアナキラフィシーなど間違えられている場合が多いですが、アナフィラキシー(Anaphylaxis)が正しいです。

【関連記事】
[894]血清とワクチン
[959]蜂を飼う