[598]使える紙幣

現在発行されている紙幣は、1万円札、5千円札、2千円札、千円札の4種類です。このうち1万円札、5千円札、千円札の3種類は昭和59(1984)年に同時に発行され、2千円札は平成12(2000)年7月に発行されました。現在これらはD券といわれています。

新札の発行は偽札との戦いで、偽札が出回るたびに新デザインの紙幣が発行されるといういたちごっこの歴史です。現在の紙幣は従来の偽造防止技術に加え、カラー複写機やパソコン・スキャナーなどでは取り込めないよう特殊なインキなどを使い最新の偽造防止技術を用いています。

さて戦前から発行されている紙幣をショップなどで現在でも見る場合があります。これらの古い紙幣は現在では通用しないのでしょうか?

日本銀行によれば現在でも通用する紙幣があるとのこと。たとえば二宮尊徳の肖像が入った1円札(1946年3月発行)は今でも【一円】として使うことができます。しかし、この紙幣を一円として使う人はまずいないでしょう。試しにコンビニで使ってみたところで、店員を困らせるだけです。また、この紙幣はコイン金券ショップに行けば多分100円位で買ってくれると思います。

ちなみに発行は終了しましたが、現在でも使える紙幣15種類を以下に列挙します。

(1) 旧1円券(大黒天:明治18年発行)
(2) 改造1円券(武内宿禰:明治22年発行)
(3) い1円券(武内宿禰:昭和18年発行)
(4) A1円券(二宮尊徳:昭和21年発行)
(5) A5円券(彩紋模様:昭和21年発行)
(6) A10円券(国会議事堂:昭和21年発行)
(7) A100円券(聖徳太子:昭和21年発行)
(8) B50円券(高橋是清:昭和26年発行)
(9) B100円券(板垣退助:昭和28年発行)
(10) B500円券(岩倉具視:昭和26年発行)
(11) B1000円券(聖徳太子:昭和25年発行)
(12) C500円券(岩倉具視:昭和44年発行)
(13) C1000円券(伊藤博文:昭和38年発行)
(14) C5000円券(聖徳太子:昭和32年発行)
(15) C10000円券(聖徳太子:昭和33年発行)

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