[581]永世中立国

永世中立国といえば筆頭はスイス。

スイスの永世中立は、ナポレオン体制が崩壊した1815年に欧州列強が調印した「ウィーン条約」で認められたものです。スイスはその地理上、大国と接していて戦略的重要性が高いため、欧州列強間としては中立を守ってほしいという思惑があったものとされます。

永世中立とは自らは戦争を開始せず、他国間の戦争にも参加しないことを宣言し、他の国がその地位を承認した場合にいい、その国を永世中立国といいます。永世中立国には次のような義務が課せられます。

・平時に他国に戦争を起こさないこと・戦時に中立国としての地位を守ること
・戦時に中立国としての地位を保てなくなるような行為を平時に行わないこと

日本の「戦争放棄」と似ていますが、中立を守るために自衛のための軍備があるところが全く違います。つまり中立を守るための戦争はする、ということです。

永世中立を守るには他国と盟友にならずまた干渉もせずというのが原則。そのスイスが最近国連に加盟する動きになってきています。米ソ冷戦下の1955年に永世中立を宣言したオーストリアでも昨今の国際情勢を受けて永世中立を廃止する動きになっています。

現在国連への加盟国は189ヶ国。未加盟国はスイスとバチカン市国だけで、スイスでは国民投票でも国連加盟には賛成多数で、ダイス外相の提案する「普遍化した国連に加盟し、孤立を避けよう」というスローガンが国民に浸透したものとされています。

永世中立国は古くは欧州列強、近年では米ソ冷戦の申し子であったようで、世界情勢の変遷とともに過去のものとなる運命のようですね。

追記:
スイスは2002年に国際連合に加盟しました。
(2007.11.27加筆)

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