[571]侮辱罪

喧嘩両成敗ってのはいまどきちょっと解せないですね。子供の喧嘩じゃあるまいし。公人でありながらどちらがウソついている。やっぱり真実は追求してほしいですねぇ。いや、政治の話です。

さて、仲が悪いもの同士、職場で妙な雰囲気。面と向かっての取っ組み合いの喧嘩なら、そのあと結構スッキリして後腐れもなかったりしますが、現代社会ではどうもドロドロしたものになり勝ち。あなたの周りにもそんな例ありませんか?

勤務終了したある日、エスカレートした両者は遂に爆発。帰り際罵詈雑言の浴びせあいとなった。ちょっとした人だかりができている。

売り言葉に買い言葉、口喧嘩での罵倒は公衆の面前で行うと、侮辱罪や名誉毀損罪になるので注意が必要です。相手がホントにバカでも「バカヤロウ」と罵れば侮辱罪になります。もっと細かく、先ほどの仕事上の失敗を指摘してだからバカだというんだ、と罵れば名誉毀損罪になります。たとえ事実であっても公衆の面前で行えば体面が丸つぶれになるので、罪になるというわけです。

侮辱罪の場合は拘留または科料と刑は軽いですが、名誉毀損罪となると3年以下の懲役・禁固または罰金となり重くなります。侮辱罪と名誉毀損罪の違いは実際には微妙であり、判定は難しいことがありますが、過去の判例では、事実の指摘があったかどうかによるようです。

公衆の面前で上司が部下をこき下ろすのも考えもの。その場では引き下がっても、あとで部下に告訴され裁判になると名誉毀損罪になることもあるので注意しましょうね。

科料と罰金の違い:
科料=1000円以上10,000円未満(刑法第15条)
罰金=10,000円以上(刑法第17条)