[561]タコ

2013年5月10日

今日はタコの話をしましょう。タコといっても空に泳ぐタコ(凧)ではなく、海に泳ぐ蛸の話です。蛸を食べるのは日本人くらいで、海外では悪魔の魚といって食べないとされていますが、多分これはウソです。こんな美味しいものを食べ無いはずが無い。きっと美味しいのを隠すため悪魔の魚などと触れ回ったのだと思います。

お正月にはみなさんも酢蛸を食べたと思いますが、酢蛸に使われるタコは「ミズダコ」が正統派。しかし最近ではミズダコは漁獲量が少なく、特に関東地方以西で酢蛸として売られるほとんどがマダコです。

蛸の種類は全世界では200種類以上といわれていますが、食用にするのはマダコ、イイダコ、テナガタコ、ミズダコ、ヤナギダコのわずか5種類。このうち一番大きいのがミズダコ。福井県より北の日本海から干島列島、北アメリカの太平洋岸に広く分布するミズダコは、成長すると全長3m、体重30kgを越えるタコの仲間では最大になる種類です。

ちなみに世界で一番小さいタコはマメダコ。全長15cmほどの可愛いタコです。日本でも食用にされるイイダコは小さいようでも全長30cm。卵が飯粒のような形なので「飯蛸」といわれています。

さて、先ほどのミズダコですが食べた味がやや大味で水っぽいところからミズダコの名前がつきまた。しかしながら、お正月の酢蛸や蛸しゃぶにはミズダコがあ最適で、独特のおいしさがあります。タコは淡白な味わいが魅力ですが意外と栄養豊かで、特に多く含まれるタウリンは血液中のコレステロール低下作用があることで注目されています。

ところでタコといえばイカと同じようにスミを吐きます。ではタコのスミとイカのスミは同じでしょうか?これは同じように見えますが、実はちょっと違うのです。

イカスミもタコスミも主に逃走する時に使いますが、イカのスミはあまり広がらず、相手に吹きかけて逃げるような使い方をします。対してタコスミは煙幕を張るようにスミが広がりそのスキに逃げるわけです。

イカスミは食用にするのでタコのスミも食用なるかというと、食べられることは食べられるのですが、タコの後唾腺にエビ・カニ・貝を麻痺させるペプタイド蛋白が含まれているので安全のためタコスミは食べないほうが無難なようです。