[930]ライブドアショック

2006年1月18日。この日は大きな事件が2つ起こりました。一つはライブドアの証券取引法違反による強制捜索。もう一つは、耐震強度事件のヒューザーの小嶋社長の証人喚問です。そしてこれら二つの事件は政治的に裏でつながっているのではないか?というのが私の推測です。

政治面で問題になるのは小嶋社長の証人喚問。国会での証人喚問は嘘をつけば偽証罪という罪になります。この罪は大変厳しい。したがって喚問された場合は本当のことをいわなければなりません。

本来ならば、全日本国民が小嶋社長の一語一句に耳を傾けたことでしょう。そこに大物政治家の名前が出てくるかもしれないからです。黒幕である政治家にとっては非常に困ることになります。

そこで仕組まれたのが、ライブドアの摘発。何もこの日でなくてもよい摘発が偶然というにはマッチしすぎたタイミングで行なわれました。

その結果、世間の目はライブドアの操作動向に注目。マネックス証券のによるライブドア株の担保能力の無価値化宣言を受けて投資家によるライブドア株の売り注文が殺到、そして東証の売買システムの停止という異例の事態まで引き起こしてしまいました。

肝心の証人喚問の主舞台の観客はライブドア事件に獲られてしまいました。しかも小嶋社長はほとんど証言拒絶。このことは黒幕政治家との癒着をかえって決定付ける物となりましたが、証拠がありません。

黒幕の政治家は思っている以上の作戦の成功に、恐らくほくそえんでいることでしょう。そして一番みっともないのは東証の脆弱なシステム。自分の財産が消えてしまうかもしれない、一刻も争う状況に、売買を控えるようになどとコメントする東証は世界の恥さらしであることはいうまでもありません。

この事件はライブドアショックといわれていますが、その実態はマネックスショックであり、また東証ショックと言うべきものだったと思います。

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