[959]蜂を飼う

2013年5月18日

栄養たっぷりで滋養に欠かせないハチミツ。そのハチミツ自体の用法の歴史はかなり古いものですが、養蜂となると意外と歴史は浅く、天然物に頼っていた時代が長かったようです。

日本の養蜂の歴史は643年に遡ります。日本書紀によれば大化の改新の2年前に百済の太子がミツバチを三輪山に放したとされます。しかしそのときには養蜂は失敗に終わったようです。

その後、本格的に養蜂が盛んになったのは江戸時代に入ってから。生産技術が改良されて養蜂が軌道に乗るようになり、今までは天然物しかなかった高価な蜂蜜が庶民の口にも入るようになりました。

当時の養蜂は巣箱の中の巣の3分の2を採取し、巣の3分の1を残しておくのが日本式。西洋でも養蜂は盛んでしたが、蜂を全滅させてから巣ごと絞ってハチミツを採取する方法でした。日本式は巣を残すことによってミツバチがそれを修復するため新たに巣を作るより効率よくハチミツを採取できるわけです。このあたりやはり日本人は思いやりがあり頭が良いな、と思わせる面です。

もっともミツバチ自体西洋のものは凶暴で、日本ミツバチは温和だったということもあります。日本でも現代では養蜂に西洋ミツバチを使っており、日本ミツバチは山に追いやられ自然の中でのんびり暮らしているということ。

さて、田舎暮らしがブームとなって都会を離れ山林に住む人が増えているようですが、畑を耕して自給自足するほかに、この養蜂は貴重な蜂蜜を得る上で欠かせないものとなります。

養蜂は誰でもできますが、都道府県知事に許可を得る必要があります。その上で毎年1月31日までに飼育届けを出します。養蜂に必要なものは市販されていますし、蜂は養蜂業者から分けてもらいます。

健康ブームとともに万能薬としても注目を浴びているハチミツ。自家製の蜂蜜ほど贅沢なものは無いかもしれません。新しい伴侶としてミツバチを飼ってみるのも良いかもしれません。