[971]アルファ米

2013年5月18日

災害は忘れた頃にやってくるといいますが、じつは世界各国では日常茶飯事のように災害は起こっています。たまたま身近で起こっていないだけ。災害に備えて非常持出品のチェック忘れてませんか?今日は、非常時にも役立つアルファ米の話です。登山をする人にはおなじみのアルファ米ですが、非常食としてとても便利なのです。

登山にはなるべく軽い荷物で臨むのが鉄則ですが、そのまま食べられるものだけでなく、簡単に調理できるものも持っていくといいでしょう。山での調理はまたそれなりに楽しいものです。といっても、普段食べるようなカップラーメンは山では不向きです。なぜなら高山では熱湯がないからです。

山では標高が高くなるほど気圧が低くなります。気圧が低くなると水は沸点が低くなり、80℃くらいで沸騰してしまい、100℃まで上がりません。したがって山ではご飯を炊いたりカップヌードルを食べたりするのはちょっと工夫が必要です。

ご飯を炊く場合は、普通の米ではなくアルファ米を使います。アルファ米は、お米を1回炊いてでんぷんをアルファ化し、それを乾燥させた米のことで、お湯や水で戻すことにより元のご飯になる便利食品です。山ではこのアルファ米を煮炊きしてご飯として食べます。

カップめんは航空機用に開発されたものがあります。航空機も気圧が低いので沸騰湯が得られないため、80℃くらいでもできるカップめんが開発されています。JALで採用しているようですが、飛行機に乗ったら試しにカップめんをリクエストしてみると面白いかもしれません。

ちなみにアルファ米の歴史ですが意外に古く、戦国時代の干飯(ほしい)もアルファ米の一種ですし、戦争中も潜水艦乗組員や航空機搭乗員等の食糧として使われていました。今では非常用保存食として官公庁・自治体へ、 高地登山者への山岳携行食等に広く使われるようになっています。登山用品売場や非常災害用品売場などで販売していますのでチェックしてみてください。