[974]ホトトギス

2013年5月18日

この時期、早朝の散歩でホトトギスの鳴き声を聞くことができます。このすがすがしさは田舎に暮らすものの特権ですね。

ホトトギスは歴史上にはその名文句に登場します。「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」といったのは気の短い織田信長。「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」といったのは策士豊臣秀吉。「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」とは忍耐強く流れを読む徳川家康でしたね。

ホトトギスは小鳥のように思われていますが全長30cmほどもある大きな鳥です。カッコウの仲間で、鳴き声は「テッペンカケタカ」もしくは「トッキョキョカキョク」と聞こえます。まったく違う鳴き声のように思えますが、あるときは「テッペンカケタカ」、またあるときは「トッキョキョカキョク」と聞こえるようです。植物にもホトトギスというのがありますが、これは花びらにある紫色の斑紋が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから付けられたとされています。

ホトトギスはアフリカ東部、マダガスカル、インドから中国南部までに分布する鳥ですが、このうちインドから中国南部のものが5月頃になると中国、朝鮮半島を経て日本までやってきます。もちろん繁殖目的。

5月6月は繁殖の時期ですが、ホトトギスの繁殖はウグイスと同時期になります。というのは、ホトトギスは自分で子を育てず、ウグイスに托卵する性質があるからです。ウグイスはスズメの仲間で渡りをしない留鳥です。渡り鳥のホトトギスはウグイスめがけて渡ってくるというわけです。

次回はその托卵について。