[980]ミモザとネムノキ

皆さんはミモザと聞いたときにどんな花を想像されるでしょうか?黄色い花?それともピンクの花?

私はずーっとピンクの花を想像していました。しかしそれで不思議に思うのがゆで卵の黄身をまぶしたミモザサラダ。どうして黄色いのにミモザ??

じつは本当のミモザはネムノキのことをいいます。花はふわふわしたピンク色。日本ではちょうど6月の末頃に咲きます。別名「房アカシア」ともいいます。ヨーロッパなどではこの房アカシアをミモザと呼んできたのです。

一方で「黄色いミモザ」ですが、これは「銀葉アカシア」。4月ごろに黄色いボール状のふさふさの花が固まって咲く木です。これを模したのでミモザサラダは黄色いというわけです。銀葉というくらい葉は産毛が生えたように覆われ太陽の光を受けて銀色に輝きます。ネムノキのピンクの花を付けるころ、黄色いミモザはインゲンのような房状に種を付けます。アカシアはマメ科の植物であることを実感する一瞬です。

なぜ本家ヨーロッパではネムノキがミモザで日本では銀葉アカシアがミモザになったかというと、それは木の大きさを見れば一目瞭然。ネムノキは大木で公園のような広い場所でないと植えることはできません。しかし銀葉アカシアならば手軽に植えられる大きさの木です。趣味のガーデニングとして「銀葉ミモザ」が「ミモザ」として普及するにお手ごろな大きさだったのでしょう。

ところで、ミモザにはよい香りがあるとされています。しかし房アカシアも銀葉アカシアも香りはありません。どのミモザが香るのでしょうか?じつはミモザの仲間アカシアにもニセアカシアという種類の木があるのです。このニセアカシアは白い花を付け、良い香りがします。

黄色いミモザ(銀葉アカシアの花)
2006年3月30日撮影

黄色いミモザがインゲンのような種をつける頃
2006年7月1日撮影(オーベルジュサンジュリアンにて)

黄色いミモザが種をつける頃に咲く、ピンクのミモザ(房アカシアの花)
2006年7月5日撮影
 

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