[1025]ダークマター

宇宙創成以来、人類もちっぽけながら、なかなか頑張っているとは思いますが、世の中まだまだわからないことは多いようです。中でも一番の難関とされているのが「女心」と「ダークマター」です。まぁ、「女心」のほうは手練手管な諸氏諸兄に任せるとして、今日はダークマターの話をしましょう。

宇宙は巨大な爆発から生れたというのが一般的な論です。これをビッグバンといいます。最近では「ビッグバンは無かった」という説や、「宇宙は膨張していない」という論もありますが、ここではオーソドックスに「ビッグバンはあった」として話を進めます。

宇宙には恒星や銀河がちりばめられ、その位置関係は不定期なものとなっています。ビッグバンがあったとすれば、もう少し規則正しい位置関係でもいいのに、なぜか不規則な宇宙構造となっています。また、アンドロメダ星雲に代表されるような銀河は美しい渦巻きを保っていますが、この形状を保つには回りにもっと多くの質量が必要です。

これは、目に見える恒星や銀河などの物質のほかに、目に見えない物質が大量に存在することを意味します。この目に見えない物質は質量はあるけれど、光などの電磁波を出さないため、我々は観測が不可能となっているのです。これをダークマター(暗黒物質)と呼んでいます。

たとえば、洗面所の手洗いに水を貯めます。そして栓を抜くと渦巻状に水が抜け落ちます。ここに墨汁をたらすと、渦巻状になって回り始めます。墨汁として見える部分が銀河だとすれば、周りの水は見えないけれど墨汁の渦を助ける存在です。水が無ければ渦も巻きません。かなり大雑把な説明ですが、こんな感じでダークマターは存在すると考えることができます。

ダークマターの存在は1933年に提唱されていますが、その正体については、ニュートリノであるとか素粒子であるとか、星になりそこなった矮星であるとか、星の残骸の白色矮星であるとかいろいろ取りざたされていますが、いまのところなんであるか解明はされていません。