[1056]いじめは感染症である

以前犯罪は環境で起こるという話をしました。今回はいじめについてですが、これも環境で起こります。いじめる人もいじめられる人も、ごく普通の人です。しかし環境に潜む何らかのスイッチがオンになるといじめに走ったりいじめられたりすることが起こります。一種病気といっていいものです。

政府広報で星野仙一氏が「ストップ!いじめ~いじめかっこ悪いね」といっていますが、病人に向かって病気になってかっこ悪いといっているようなもの。悪いのは病人ではなく病原菌です。病気が蔓延したら皆さんはどうしますか?病気にならないような自己管理がまず必要ですが、病気にかかってしまったら病院が必要でしょう。そして医者も必要です。

本来、教室におけるいじめの場合、医者にあたる人は教師ですが、最近では教師にもいじめという感染症にかかってしまっているらしい。まるで院内感染。生徒と一緒になっていじめに参加しているという事実がこの病気が重病になることの大きな表れです。

そして病院にあたるのが文部科学省でしょうか。しかしこの問題は文部科学省では荷が重過ぎるかもしれません。感染症ですから、厚生労働省の支援も必要でしょう。

いじめをなくすにはどうしたらよいか?

難しい問題であるのは、いじめられている本人が固く口を閉ざしてしまうことにあります。じっと我慢をしあたかも台風が通り過ぎるのを待ってしまうのです。そしてなかなか台風が通り過ぎないと、力尽きて自らの命を絶ってしまうのです。

いじめを撲滅するために、加害者を出席停止にしたり、糾弾するような仕組みをお役所は考えているようですが、お門違いです。被害者も加害者も同じ人間。これは病気だと認識し、取り組む必要があるのです。まずはそのあたりの認識を新たにすることから始めましょう。

参考図書:

教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために
山脇 由貴子
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4 親として何ができるか
4 大人が真剣に考えなければならない
5 いじめの姿は変わったのか?

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