[1066]日経平均とTOPIX

2018年7月31日

日経平均やTOPIXは株価の動向を示す指標で、いずれも東証一部に上場されている約1500銘柄(2007年5月現在)全体の動向を示す株価指数です。しかし何気なく使っているこの指数ですが、どう違うのかおさらいをしてみましょう。

日経平均は日本経済新聞社が算出、公表している指標です。東証一部上場企業約1500社のうち流動性や業種等のバランスを考慮して選んだ225銘柄の株価を単純に平均したもの。

採用された銘柄は決まっているわけではなく、毎年見直されます。また経済の変動などにより、臨時に入れ替えがされることもあります。全部で1500ほどある企業の株価動向をわずか225社で判断するというのは指標として少ないのではないかという意見があります。

一方でTOPIXは、東証一部上場企業の全銘柄を対象としています。したがって全体の動きを捉えるのに向いています。しかし、動向としては平均され過ぎて動きが鈍く、指標として日経平均より鋭利ではないという意見があります。その点日経平均は、市場に影響を与えやすい流動性の高い注目されている銘柄ですので、TOPIXより敏感な指標といいえます。

また、日経平均は、企業によって株価の重み(ウエイト)を考慮していませんが、TOPIXは重み(ウエイト)を考慮することによってさらに公平さを目指しています。

たとえば市況を左右するような大きな会社と、上場したての小さな会社とでは、株価の上下が1円変動しても、その影響は差異があるだろう、という発想から生まれています。そういう理由から、TOPIXは上場株式数を考慮してウエイトを考慮しています。

また、表示単位も違います。日経平均は○○円△銭という通貨表記になっていますが、TOPIXはポイント表記です。この通貨表記については誤解を招きやすいという批判が多くあります。

というのも、日経平均は元々「株価の単純平均」ですから分母は225であるはずです。しかし、不連続調整のためにその「除数」は現在約20に調整されているため、日経平均株価は1万7千円前後になっていますが、実際の平均株価はその10分の一が正しい数値となります。

つまり日経平均は市場価格を10倍程度拡大表示していることになります。またこれは変動にもあてはまり、たとえば日経平均300円下げた、というのは実質は約30円の下げということになります。このあたりが誤解の大きな原因となっているようです。

指標としては公平なTOPIXですが、実際には日経平均のほうがメジャーに使われています。その理由としては、まず、使いやすいことが挙げられます。すでに多くの人に使われているので、話が通じやすい点も挙げられます。また、銘柄数は少ないものの、採用された銘柄は代表銘柄であるため、この動きこそ大事なのだ、という意識が根強いことも人気の一つでしょう。

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