[1129]洋行とは?

全国の山田洋行(やまだひろゆき)様、守屋元次官と山田洋行の一連の事件で、名前が同じということ甚大な迷惑をこうむっている事でしょう。お見舞いを申し上げます。

さて、会社の名前に洋行(ようこう)と付くのは、歴史のある貿易会社です。というのも今は洋行という名前は付けませんが100年ほど前は、世界を股にかける貿易商社が好んでつけた名前だからです。洋行の洋は太平洋を表し、行は往復する、つまり洋上交易そのもののネーミングなのです。

有名なのは内田洋行。オフィス用品で名高い会社ですが、創始者が中国との事務機器の交易を始めたことから内田洋行と名づけました。中国語で貿易商のことを洋行というからです。内田洋行は100年の歴史があり、昭和時代に登録商標「マジックインキ」で一斉を風靡しました。

事件の中心となる山田洋行は1936年(昭和11年)の創業。拠点は横浜で、やはり貿易商として生まれています。これも70年の歴史を誇る会社です。当初から軍事関係の商材で業績を伸ばしていたようです。

小林洋行は大正2年(1913年)の創業。今は商品先物取引の小林洋行として有名になりましたが、もとは中国から天津甘栗を輸入し販売したことで成功を収めた会社です。

鳥羽洋行も歴史は古く、創業は明治39年(1906年)。当時日本の領地だった大連市にて機械工具・ゴム製品・鉄鋼を中心に創業した会社です。中国各地に支店を伸ばしたものの第二次世界大戦の終戦によって放棄。しかし昭和になって再興した根性のある会社です。現在では制御機器、産業用ロボット、計測計装機器など最先端技術をもつ産業機器の総合商社としてがんばっています。

洋行とはワールドワイドなビジネスを象徴したネーミングなのです。

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