[1137]サブプライムおさらい

2023年1月20日

サブプライムローンの焦げ付きでアメリカの経済が大きく揺らいでいます。この影響で株価も下落しており、アメリカの株価に連動して日本の株価も大きく下げいています。ここまで影響力のあるサブプライムとは一体何なのでしょうか。少しおさらいをしたいと思います。

サブプライムとはプライムの反語です。プライムとは優良顧客つまり富裕層向けの優遇金利をいいます。一方でサブプライムは低所得者や事故歴のある信用力の低い層をいいます。この低所得層に貸すローンをサブプライムローンといいます。

信用力が低いので、金利は高めです。日本の消費者金融と同じですね。しかし、低所得層に融資することでその低所得者も住宅を購入することができ、その結果住宅産業の景気が上向く効果があります。実際これまでの米景気を押し上げていたといっても過言ではありません。

しかし、低所得層のローンといっても返済はしなければなりません。もともと少ない低所得の中から返済することは容易ではありません。しかし、住宅が値上がりしているときは、もし破綻してもその住宅の価値から棒引きすれば、銀行はそれほどの損も無く回収できます。

ところが、2006年以降の米住宅市場の景気が大きく後退するようになってきました。所得が上がらないのでローンが払えない、住宅を売っても返済金に足りない、あるいは住宅そのものが売れない事態となってきました。

銀行とすればローンは払ってもらえない、住宅の価値も低いとなれば、これは焦げ付きとなって、銀行は大きな損失を計上せざるを得なくなります。サブプライムローンの破綻です。

このサブプライムローンの元となる資金を集めるために、数多くの金融商品が発売されたようです。低所得者向けということでリスクはありますが、高金利ということでリターンもある商品として普及しました。ところが焦げ付けば、その金融商品は元本割れなどを起こし、その商品を買っていた人は損をすることになります。

日本の上場企業もこの手の金融商品を買っていたようで、思わぬ損失を計上しなければならず、それが日本の株価を押し下げる要因ともなっているのです。

この問題を受けて、アメリカではドル安となっていますが、それは世界の投資家によってドルが売られているからです。一方で、景気の良いEC諸国のユーロを買っているため、ドル安ユーロ高というのが最近の傾向です。