[1212]糖尿病とは?

2013年6月11日

糖が尿から出ると書いて糖尿病。でも実際には尿に糖が出るかどうかは関係なく、血液中のブドウ糖の代謝がうまくいっていない状態の病気を糖尿病といいます。

食事をすると胃で食べ物を消化し、ブドウ糖が血液中に増えてきます。ブドウ糖はエネルギー源となり、血液に乗って体中を巡り、必要なところで取り込まれ消費されます。消費されれば血液中のブドウ糖は減るので問題ありません。

ブドウ糖が消費されないで血液中に多くとどまった状態が、糖の代謝異常。血糖値が上がったままになります。糖が体で消費されないので最終的に尿として排出されます。糖尿病は炭水化物の代謝障害。うまく体内にブドウ糖を取り入れられない病気だから尿に糖が出るのです。

血液中のブドウ糖を一定に保つためにコントロールしているのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。糖尿病はインスリンがすい臓から分泌されない、あるいはその量が不足している、あるいは十分に作用しないなどの理由でなります。

糖尿病になるとよく「失明する」とか「足を切断する」などと怖いこといわれますが、失明の原因の第一位はなんとこの糖尿病なのです。笑い事ではありません。

糖尿病になると糖が血液中に常に多くある状態になります。この状態が長く続くと血管が硬くなり、眼の網膜の細かい血管が破れたり詰まったりするので周辺の細胞が死に、目が見えなくなってしまうのです。

同様に細い抹消血管が詰まると四肢の末端細胞が腐ってきます。これを壊疽(えそ)といいますが、これが進行すると体中が腐ってしまいますのでやむなく足を切断することになるのです。

血液中に糖が多いだけで、このような症状をもたらす糖尿病は自覚症状がないだけに恐ろしい病気といえるでしょう。

次回は、虫が壊疽を治すという驚きのお話