[1230]人事院 谷総裁仁王立ち

2013年5月17日

官僚の天下り&渡り是正を受けて人事院の谷総裁が仁王立ち状態です。そりゃそうです。官僚の天下りや渡りを無くそうにも、それに代わる魅力的な人事制度を取り入れなければ公務員など誰もやる人はいません。そういった議論も無く、内閣が人事院の仕事を取り上げようという案には反対して当然でしょう。国家公務員の数はおよそ66万人。組織とすれば大所帯。これが「官僚の壁」となるわけですから、そりゃ厚い。

人事院というのは、国家公務員法に基づいて設置されている中央人事行政機関で実質的に国家公務員の人事をつかさどる機関。公務員には労働基本権が認められていないので、それに代わる配慮をするために設立された公的機関です。公務員が会社の社員とすれば、人事院は会社の人事部に相当します機関としては内閣の所轄になりますが、公務員の人事管理を中立的・公正的に行なうため、その権限は内閣から独立して行使することができるのが特徴です。

どういったことを所轄しているかというと、国家公務員の給与や勤務条件、人事行政の改善に関する勧告、国家公務員の職階制の制定や分限、採用試験や研修、免職や懲戒に関する事項、一般国民や公務員からの苦情処理、職務に係る倫理の保持、などを決めます。

よく聞く「人事院勧告」には、一般企業に合わせた給与見直しなどがあります。労働基本権に関する事項に関する改善を勧告するのが人事院勧告となっています。また労働基準法に基づく、労働環境の改善も人事院の仕事です。なお、地方公務員の場合は人事院ではなく、地方公共団体の人事委員会が人事を司ります。

議員の先生方も、世論の人気取りに走るのではなく、国家のために働く公務員として誇りに思える職場環境をトータルで改善する方向でお願いしたものです。このままでは誰も公務員になりたがらない。そうなると役人不在の国家。これでは国が成り立ちません。