[1235]ソマリアという国

2013年5月15日

アフリカのソマリア沖で海賊が出没し、航行する船に脅威があるとして、日本でもその取り組みをしなければなりません。しかし法律が邪魔をして自衛隊の派遣もままならぬ状態となっております。どうする防衛省!

海賊というとアウトローな連中が一攫千金を狙って財宝を探している、というイメージがありますが、ソマリア沖の海賊は特殊な団体ではなくソマリアの国民が行なっているのです。厳密には職を失った漁民。

ソマリアの公式国名をソマリア民主共和国といいますが、これはモハメド・シアド・バーレ政権下での話で、1991年に同政権が崩壊してからは実質無政府状態が続いています。国際的に国として認められていないため国連の支援も受けられません。国は疲弊し国民はまともに生活ができません。そこで国民は生活のため海賊業に手を染めることとなります。

幸い?ソマリア沖は貿易に欠かせない航路となっており、行きかう貨物船が大変多い地域です。海賊行為にはもってこいの海域といえるでしょう。

ソマリア沖の海賊は、武装した海賊が主役ですが、彼らはほとんど危害を加えるような攻撃はしてきません。お金のある国籍の船を拉致し、身代金を要求するのです。そしてその金を受け取ったら人質は無事に解放されるのが常です。身代金専門の海賊というわけです。

誘拐・身代金で裕福になった海賊たちは海岸に豪邸を建て、彼らを相手にする商売人が集まり、新たな経済圏を確立しているとも言われています。海賊は悪、と決め付ける前に、彼らも人類の種として生き延びる手立てを模索しているといえるのです。

〈ソマリアの概要2009年3月現在〉

政府:内戦状態で実質無し(1991年~2009年現在も)
公用語:ソマリ語
首都:モガディシュ
面積:637,657km
人口:8,304,601人(2004年)
宗教:イスラム教 95%
文化:女子割礼(FGM)が現在でも公然と行なわれていることで有名