[1243]アジサイ寺

アジサイの花がきれいな季節となりました。アジサイは紫陽花とも書き、青系~紫色の花を咲かせるため、ひそやかで涼しげな感じのする花です。日本にはアジサイ寺と言われる寺院が星の数ほどありますが、これはこの梅雨の時期は気候が変わりやすく、また食中毒や病気などが多発し死人が多く出たため、弔いに手向けたアジサイが寺院に多く植えられたためといわれています。

最近では豪華で大きなアジサイが園芸店で見ることができますが、こちらは西洋アジサイ、またはハイドラアンジアと呼ばれます。ハイドランジアは日本原産のガクアジサイがヨーロッパに渡り、改良されて逆に輸入されたものです。球状で花色は青、桃、白などがあり大変鮮やかです。ハイドランジアとは水の容器という意味。水を湛えた容器のように見えることからつけられたようです。そして花のように見える箇所はじつは花ではなくガクの部分なのです。

アジサイの花色は土壌が酸性なら青い花、アルカリ性なら赤い花といわれます。アジサイの色を決定する一要素はアルミニウムイオン。土壌が酸性だとアルミニウムイオンが溶け出しアジサイに吸収されて花が青くなります。土壌にアルミニウムがないと花は赤くなります。

このようにアジサイの花は土壌のアルミニウムイオンによって花色が左右される要因はあるのですが、土壌の酸度に関係なく咲き始めは青く、だんだん赤に変わっていくので、七変化という別名もあります。これは花に含まれる色素の老化によるものとされています。

ちなみにリトマス試験紙の変化は、酸性だと青→赤、アルカリ性だと赤→青。アジサイの色の変化とは逆なので注意。

アジサイの花を料理に添えて季節感を出すことがありますが、アジサイには毒があるので、食べないように注意しましょう。牛、山羊、人が食べると過呼吸、興奮、ふらつき歩行、痙攣、麻痺などの症状を起こします。

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