[852]皇室典範(別稿)

2013年5月22日

「こうしつてんぱん」と読みます。いってみれば皇室全般のことを定めた法律です。日本国憲法第二条により【皇位は世襲】であり、国会の議決の定める【皇室典範】によって継承されると定められています。

それによれば、天皇の位は皇族に属する男系の男子がこれを継承する、とあります。したがって皇室典範を改正しなければ女性の天皇は日本ではありえないことになります。

皇族とはこれも範囲が決められており、皇后、太皇大后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を指します。この呼び名における「王」「女王」はいわゆる王様や女王様のことではありません。天皇から見て三世(孫)以下の嫡男系嫡出の子孫の男を王、女を女王と呼びます。系列はすべて男系をいい、ここに男尊女卑のルーツがあるという意見もあります。

皇后は天皇の妻、皇太后は天皇の母、太皇太后は天皇の祖母です。親王は天皇の子供で男の子をさし、女の子は内親王と呼びます。天皇を継ぐことになっている男の子は皇太子と呼ばれます。

雅子さまの子が男の子であったとすれば天皇を継ぐ直系となりますが、愛子さまは女の子。従って現時点では、今の皇太子以降、天皇を継ぐ人がいません。男系の秋篠宮家にも女の子しかいませんし、天皇の継承は養子は認められていません。

このまま男の子が生まれない場合は天皇はここで途絶えます。女性の天皇が誕生するには皇室典範を改正するしかないのですが、皇室を「文化」とするならば大いに反対されるべきでしょう。しかし、一方で女性が天皇になっても別段構わないとする小泉総理に代表される意見もあります。

皇室典範を改正するために識者に召集がかかったようです。しかし改正はなかなか難しいものを孕んでいます。男女関わらず第一子に継承させるのか。第一子が女で第二子が男だったらどうするのか。そして宮内庁の存在。アメリカが敗戦国日本に課した「天皇は国民の象徴である」という「配慮ある呪縛」をいまこそ日本国民の意志で根底から考えなおす良い機会かもしれません。

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