[869]多重債務に陥らないために-1-

~多重債務の兆候~

2004年の自己破産者は約21万人。その予備軍とも言われる多重債務者は150万~200万人とも言われます。テレビのCMに象徴されるようにクレジットカードや消費者金融が身近になって多大な借金が簡単にできるようになり、同時にそれは家計を揺るがすリスクにもなっています。

多重債務に陥る理由は様々。夫の転勤により新しい土地に移り住んだ主婦は、知人のいない寂しい土地での唯一の楽しみが買い物。それが昂じて、あったはずの貯金は使い果たし、気が付けば消費者金融約12社から400万円の借金を作っていたといいます。また、リストラで失業に遭った夫がそれを家族に言い出せず、ストレスで酒におぼれ、気が付けば住宅ローンのほかに借金が500万円もあった例もあります。

多重債務に陥った場合は、本人だけの問題では済まず、家族を含めた家計全体に影響を及ぼすことが多いのです。そしてこのような多重債務に陥る人は押しなべて「几帳面、まじめ、気が小さい」という共通点があるようです。

多重債務を未然に防ぐには、周囲が借金が少ないうちに気が付くことが肝要。本人一人で悩むうちに借金を雪だるま式に膨らませてしまうのがほとんど。ちなみに、その兆候としては「帰宅時間が急に変わる」「仕事に身が入らない」「身だしなみが乱れる」「友達を名乗る電話が仕事場や実家に頻繁に入る」などなど。そんな変化を見逃さずキャッチし、気づいてあげたいものです。

<続く>

◎債務整理真っ最中の多重債務者「椎原里織」が語る怖いお金のハナシ。
多重債務からの脱出