[890]人民元

人民元とは、中華人民共和国の通貨の名称です。日本でいうところの「円」、米国の「ドル」と同じ通貨名称です。

通貨の切り上げとは、通貨の価値を上げることを意味します。例えば円の切り上げといえば円の価値が上がるのと同様に、人民元を切り上げれば人民元の価値が上がります。

切り上げは具体的には米国ドルなどとの交換レートを変動させることで行われます。この変動させるというのは円やドルやユーロの場合は当たり前のように行われていますが、人民元に関しては実質固定レートになっています。

現在:1ドル=8.27元

これを切り上げるということは「元高=ドル安」ということになります。

切り上げ後の例:1ドル=8.11元

今までは8.27元で1ドルが買えましたが、今度は8.11元で買えます、元が高くなり相対的にドルが安くなったことになります。

元の価値が上がりますので(元高)、中国国内から米国のものを買うときには安く買えます。一方中国に投資している場合は、その金額が目減りします。

固定レートの時には、現地通貨建て資産が通貨安によって目減りすることがなく、安心感があるため外国資本は参入しやすいといえました。また中国側としても外資の導入に有利な面もありましたが、それらの効果が今後は薄れるといっていいでしょう。

また元が切り上げになると、モノの価格が高くなるため中国のモノを世界の国々が買ってくれなくなる恐れがあります。これも中国の目覚しい経済成長からすればやむをえない、というか当然の成り行きといえましょう。

中国の経済力はGDPや貿易規模から見れば既にイギリスに匹敵するレベルに達しており、G7参加国ではイタリアやカナダを抜いて世界第6位に駆け上がっているのですから。

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