[905]「うつぶせ」と「はらばい」

「うつぶせ」と「はらばい」の違いはどこぞのクイズで出題されたらしく、答えをネットで検索するとたくさん出てきます。そのほとんどが、「うつぶせは意識が無い状態」「はらばいは意識が有る状態」というものです。確かに状態としてはその通りなのですが、ニュアンス的には物足りない、ということで少し深く考察してみましょう。

うつぶせとは、変換では「うつ伏せ」と出ますが本当は「俯せ」が正しい。この意味は「表の面を裏返しにしてひそやかに待つ」という意味があります。スイッチをオフ状態にすることです。

お盆をうつぶせにするということは、その盆を使わないという意味です。また、顔を伏せて覇王に服従するというような意味もあります。顔を隠すのは自分であることを隠す意味もあり、また居ない振りをするという意味もあるでしょう。そういう意味で「意識が無い状態」ときに使うのです。

「はらばい」は「腹這い」と書きますが、これは腹を下にして動き回る様を表します。むしろ自分を誇示して居る状態で、ポジティブかつ活動的です。スイッチはオン状態です。赤ちゃんを「俯せ」にしてはいけません。窒息死の危険があります。しかし「腹這い」で運動させるのは大いに結構、というわけです。

道路で「俯せ」になっている人を見かけたら、救急車を呼びましょう。一刻を争う状態かもしれません。道路で「腹這い」になっている人を見かけたら、他人の振りをして無視しましょう。道路で「腹這い」になって、一体何をしているのでしょうか?係わり合いになると面倒なことになるかもしれませんよ!?