[493]検察官

前号では裁判官について触れましたが、今日は検察官についてです。

裁判官(判事)や検察官(検事)になるには司法試験をクリアしなればなりません。このほか弁護士も司法試験合格が必要です。つまり司法試験をクリアした時点で、裁判官になるか検察官になるか、あるいは弁護士になるかを選べます。告発する人、守る人、判断する人、いずれも日本最高峰の国家試験をクリアしなければなりません。司法は人の一生を左右する仕事ですから、当たり前ですね。

さて検察官の仕事ですが、事件がおこるとまず警察がこれを調べます。捜査の結果、どうも犯人が確定しそうだ、となったら逮捕状をとり被疑者を逮捕します。逮捕したら事件記録とともに被疑者を送検しますがこれは48時間以内に行わなければなりません。

送検を受けて今度は検察庁の仕事になります。事件の被疑者を取り調べ、平行して、警察官を指揮して物的証拠の収集を行います。自白や証拠を元に被疑者の処分を決定し、それを裁判にゆだねます。これが起訴です。

もちろん起訴しないときもあります。証拠不充分で不起訴など。また起訴猶予というのもあります。これは証拠が集まるまで少し様子を見る、など。また警察を飛び越していきなり捜査することもあります。政界、財界などの大きな事件は専門の特捜部(査察部)が捜査を行う。

検察官は警察官より勉強しています。法廷では弁護士と渡り合わなければなりません。裁判官と違って世間を知っています。宴会も好きだし他業種との付き合いも多い。仕事を家に持ち込むことも無く、収入も安定している。法務関係ではきわめてサラリーマン的な職業といえます。

検察官と一口にいいますが、最高位の検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事の5つの総称です。各検察官は、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁のいずれかに所属しています。(省庁再編で変更があったかもしれません)

検察官というのは法曹界でも一番おっかない人種ですが、事件が起こった時にそれを告発し、被害者の権利を守り社会の安全を守る、という大変な役割を持っているのです。

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