[461]白血病

2013年10月12日

白血病とは血液のがんです。厳密には血液中の「血球」の細胞ががん化するもので、これがもとになって全身に転移するため、がんのなかでも根治が厄介な病気です。

血球は骨の中にある骨髄の中で作られます。骨髄の中には血球を作る細胞「造血幹細胞」がたくさんありますが、この骨髄の中で細胞ががん化して無制限に増殖をしていきます。血球の細胞ががん化してどんどん増え続けると血液が白くなるために、白い血の病気すなわち白血病と命名されたのです。

本来、細胞というのは成熟分裂してある一定時期が来ると、自発的に死亡することがプログラミングされています。これを計画細胞死(アポトーシス)といいます。がん細胞というのはこの計画細胞死がおこらず細胞が増え続けていきます。つまり計画細胞死がおこらなくなった細胞が、がん細胞なのです。

白血病を治すには、がん化した造血幹細胞を移植して血液を正常に保つ治療が行なわれます。これが骨髄移植といわれるものです。

骨髄の移植というと大変な手術のように思われるでしょうが、実際は骨髄液の静脈注射です。むしろ大変なのは、骨髄の提供者のほうで、骨髄の採取のため全身麻酔をします。当然入院します。

骨髄バンクが思うように普及しないのは、提供者に多大な苦痛を要求するためです。そこで、近年脚光を浴びているのが臍帯血(さいたいけつ)移植です。

臍帯血は出産の時に不要になった、へその緒や胎盤からとれる、造血幹細胞をたくさん含んだ血液です。赤ちゃんの血液を作った組織を再利用とするものです。採血量が少ないことが難点ですが、それでも多くの幼い白血病患者を救うことができます。これからの普及に期待したいところですね。

【関連記事】
[742]大腸がん