[452]扶養家族

一緒に生活している収入の無い家族を養うには大変な経済的負担があります。その負担を軽減するための制度が扶養家族制度です。扶養する家族がいる場合には所得から一定の金額を控除できる「扶養控除」が適用されますから、課税される所得が低くなり、結果として所得税が少なくて済みます。

この場合大事な要件として「生計を一にする」ということが扶養家族の条件となっています。つまり、生活を共にしているということが条件となります。

扶養家族はまず、親族でなければなりません。赤の他人の同居人は不可です。この場合の親族の範囲は・・・

・配偶者以外の親族
・児童福祉法の規定によって里親に委託された児童
・老人福祉法の規定によって養護受託者に委託された老人

ということになっています。さらにこれらの人が・・・

・納税者と生計を一にする(青色事業専従者と事業専従者を除く)
・その人の合計所得金額が38万円以下

という要件を満たさなければなりません。

「生計を一にする」というのは、日常の生活を共にすることをいいますが、必ずしも同一の家屋に寝起きしていなくても構いません。勤務、修学、療養等の都合で他の親族と同居していない場合でも扶養しているとみなされます。例えば単身赴任でお父さんが別居している場合や、娘が大学のそばに下宿している場合は扶養親族とみなされます。

逆に同居していても、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合や、勤務、修学、療養等の都合がない別居状態は生計を一にしていないこととされます。

扶養親族は収入が無いことが条件なので、大学生の息子がアルバイトに精を出しすぎると扶養親族から外され、お父さんの税金が多くなる場合もあるので注意しましょう。(大学生の場合は年間103万円以上の場合)

なお、主婦のパートさんが年収103万円を越えないようにするのは、扶養親族の関係ではなく配偶者控除の関係です。これも考え方は扶養控除と似ていて、年間103万円を越えてしまうとこれまたお父さんの配偶者控除が外され、高い所得税を払わなければならなくなるのです。だから、パートさんは年収103万円を超えないようにしなくてはならないというわけなんですね。

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