[437]アバサー汁

2013年5月10日

アバサーとはハリセンボンのこと。怒らせると膨らんで、針を立ててボールのようになり、大きな魚が捕食しようとしても食べられないというわけです。ハリセンボンといいますが、針は実際には400本位しかないとのこと。本土では滅多に見かけませんが沖縄ではよく食べる魚です。

フグの仲間ですが、毒はありません。したがって、皮を剥いで身をぶつ切りにして煮込んで食べても大丈夫。これをアバサー汁といって沖縄の人には大好物。身は白身であっさりしていて、フグでは毒があって食べられない「肝」が濃厚な味を出してくれます。肝は泡盛と味噌で揉んで汁に溶かしてしまうとおいしいらしい。

アバサー汁はうっすらと緑色をしています。これは地元の人に言わせると匂い消しのためにヨモギを入れるから。でもアバサー自体はそんなに匂いの強い魚ではなく、むしろヨモギのほうが匂う。つまり、沖縄の人はヨモギが好きなんですね。

アバサー汁は味噌とヨモギと豆腐を煮込むアツアツの料理。沖縄の過酷な暑さを乗り切るなくてはならない滋養食でもあります。「のぼせ」の特効薬としても知られています。またアバサーは唐揚げもおいしい。ふぐの唐揚げと同じくらいおいしい。ハリセンボン自体フグの仲間ですから当然といえば当然なのですが。