[395]キス魚

熱帯魚といえばエンゼルフィッシュが有名ですが、キスをすることで馴染みあるのがキッシンググラミーという魚です。八景島の水族館ではバレンタインデーに「キッシンググラミー・ラブラブチユー占い」という恋占いのイベントがあり、ラブラブカップルに人気だったとか。水槽内のキッシンググラミー2匹がキスをすれば2人の仲はマル!?

さて、キッシンググラミーのキス行動はじつは縄張り争いです。口で相手を押し出したほうが勝ちという「けんか」であり、決して恋の行動ではないのです。元々グラミーという種類の熱帯魚は気性が激しく縄張りに敏感な魚です。同じ大きさもしくはやや小さい魚を追い掛け回すイジワルな魚でもあります。

キッシングの場面は力量が拮抗する二匹に見られるようで、力量が違いすぎる魚や小さい魚とはキスをしません。この魚は口がキスをするようにできている形状である反面、えさを食べるのはその形状が災いしてあまり上手ではありません。そのせいか、育てるには難しい部類の肴に入ります。

しかし気性の激しい魚ほど子育てには熱心で、このキッシンググラミーも例外ではありません。産卵期には夫婦で巣を作り、産卵・子育てに励みます。

現産地アマゾンの奥地では体長30cm以上にもなる魚ですが、水槽で飼われている場合は15cmくらいで成魚となります。現地では食用にもする魚で淡白な味わいがするそうです。

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