[371]アイリッシュウイスキー

2013年9月26日

ウイスキーの本場というと、まず頭に浮かぶのがスコッチウイスキーでしょう。スコッチウイスキーというのはイギリスのブリテン島で作られるウイスキーのことです。ところがイギリスにはスコッチより正統派といわれるウイスキーがある。ブリテン島のお隣アイルランド島で作られるアイリッシュウイスキーです。

ウイスキーの歴史を調べてみるとアイルランドで作られたのが6世紀のことでありもっとも古い。その事実を賞賛してアイリッシュウイスキーはウイスキーの父といわれています。英国のヘンリー2世がアイルランドを訪れた時にこのウイスキーに出会い、それをブリテン島に持ち帰ってあのスコッチウイスキーが生まれたというのが逸話です。

スコッチウイスキーもアイリッシュウイスキーも原料は麦芽から作られる蒸留酒です。ところがこの二つのウイスキーを飲み比べてみてください。同じイギリスで作られたウイスキーなのに全く味わいが違うことに驚かれると思います。一番の違いはフレーバーが全く異なること。フレーバーというのは香りのことですが、スコッチウイスキーには深い醸すようなフレーバーがあります。これは麦芽を乾燥させるときに使う燃料にピートという泥炭を使うことでその香りがつき、スコッチ独特のフレーバーが生まれます。

アイリッシュウイスキーは麦芽を乾燥させるのに石炭を使うのでピートほどアクの強い香りがつかないのです。さらに、スコッチウイスキーが2度の蒸留を経て作られるのに対し、アイリッシュウイスキーは3回蒸留した後に樽詰され熟成されます。蒸留は多ければ多いほど精製されるのでそれだけすっきりとした飲み口になるわけです。

同じイギリスなのに東と西では味わいが全く違うというのは面白いですね。でも日本でも、関東と関西ではそばうどんの味付けが全く違うということもありますし。アイリッシュウイスキーとスコッチウイスキー、是非飲み比べてみてください。アイリッシュウイスキーといえばブッシュミルズ「ushmills Irish Whiskey」が有名です。
http://www.bushmills.com/