[358]アサヒ本生

2013年5月18日

昔はビールと言えば加熱処理したビンビールが主で、生ビールは専門のビアホールやビヤガーデンに行かないと飲めなかったものです。それがサントリーの純生だったかな?最初に生ビールを瓶詰めして発売したのは。純生は独自のミクロフィルターを使い、加熱しない生ビールのすっきりした味わいを家庭で飲めるようにした功績は大きいものでした。

ウイスキーでは老舗のサントリーがビール市場でシェアを得た記念すべきビンビールが純生。それに続いて各社ビン入りの生ビールを発売し、キリンのラガー市場の牙城を崩そうとしたのです。その時にアサヒが出したのが「アサヒ本生」。ついでに申し上げればサッポロは「びん生」なんてのを出していたように記憶しています。でも結局ラガーの牙城は崩せなかったですね。

その後しばらくしてアサヒは「スーパードライ」で成功を収め「アサヒ本生」は製造をやめていました。同業他社はスーパードライに追いつけ追い越せとがんばりましたがダメで、違う道で勝負するようになりました。それがビール風味の発泡酒です。最初の発泡酒はサントリーのスーパーホップスとサッポロドラフティ。初期の製品はあまり美味しいものではありませんでしたが、安さが受けあっという間に主力商品になったのはご存知の通り。

アサヒはスーパードライの成功があったので、発泡酒の市場には参入せず静観していました。しかし、ここに来て一つの商品に依存するのは危険だと思ったのでしょうか、最後手として「アサヒ本生」をビール風味発泡酒として復活させたのです。

ところで、ビール風味の発泡酒というのはじつは大昔からあるのです。神田あたりの大衆酒場にポスターがよく貼ってあるでしょう?

「ホッピー」

これこそ元祖ビール風味の発泡酒だと思うのですが、いかがでしょうか?