[357]デンドロビウム

2013年5月18日

先号でシンビジュームを取り上げましたので、今日はデンドロビウムです。

栽培の楽な洋ランといえばシンビジュームとデンドロビウムでしょう。洋ランというと温室がないと育てられないのではないか?、というような印象がありますがそんなことはありません。特にデンドロビウムは寒さにあたらないと花芽が分化しないという性質があり、花をたくさん咲かせるにはワイルドに育てる必要があります。

デンドロビウムというのは日本ではセッコクといって昔から親しまれてきたものと同じ種類です。シンビジュームは根元が膨らんでバルブを形成しそこに養分をためますが、デンドロビウムは茎そのものが太ってバルブとなり養分をためます。根元が細く中間の茎が太り、そこに花をつけるので姿が奇妙ですが、それがまたデンドロビウムの良いところです。

日本自生の種類は香りがあるものも多いですが園芸店で売られているデンドロビウムはほとんど香りがありません。種類としてはノビル系というものが現在多く出回っていて、低温に強くラン栽培をはじめたいという初心者に向いています。似たような名前のデンファレ(デンドロビウムファレノプシス)は低温に強くないので間違えないように。

デンドロビウムの栽培のコツは暖かい時期に十分成長させ、そのあと寒さにあてて厳しく育てることにあります。温室で年中ぬくぬくと育てますと株は大きくなりますが花が咲かなくなってしまいます。

デンドロビウムの花芽分化は13℃位の低温に約1ヵ月合うと起きます。日本では大体10月から11月に戸外において低温にあてますすると花芽ができます。そのうちバルブから花芽が割れ出してきたら取り込みます。花芽のふくらむのを待ちます。

置き場所はレースのカーテン越しの窓辺がよく、蕾が開くためには温度と光と湿度が必要です。冬の窓辺は乾燥しますからよく霧吹きします。満開になったら室内の直射日光の当たらない場所に移します。花は極度の乾燥を嫌いますから、暖房機の近くや、暖房の風が直接当たらないようにしたほうがいいですね。

いただいたデンドロビウム、来年もうまく咲かせてみてください。