[699]生食用カキ

冬はカキのおいしい季節です。特に鍋物やフライがおいしいですがレモンを絞って生でいただくのもたまらない。

ところでカキには生食用と加熱用があります。鮮魚売り場を見てもパックには必ず明記されています。この違いは鮮度によって分けられていると思っている方もいると思いますが、生食用と加熱用の違いは含まれる細菌量によって分けられます。つまりその生産する過程からして違っているのですね。

カキのうまみはその身に含まれる海水に左右されます。カキは海水を多く含みつまり海水を食べているようなもの。ということは生食用の場合、養殖海水の清浄度が第一条件となります。養殖する場所はどこでもいい訳ではなく細菌の少ない場所に限られます。

生食用カキは清浄海域と呼ばれる指定海域で養殖されます。基準は厚生労働省が定めており、海水100mlあたり大腸菌群確数70以下の海域となっています。また、生食用カキは海水を含んだパック売りしかできないことになっています。その海水自体も紫外線などで滅菌処理がされています。

また生食用カキはパック詰めされる前に2%以下の塩水で洗うことになっています。しかし塩分濃度の薄い塩水や真水で洗浄すると、カキの身が水を吸って重量が増え、水っぽくなることがあります。

加熱用カキの養殖の場合特に海域指定はありません。パック売りだけでなくムキ身で販売してもかまいません。生食用カキに比べ規制が緩いのが加熱用カキです。剥き身の場合は余分な海水を含んでいない分身が引き締まっています。

丸ごと食べるのがカキ本来の風味とすれば、生食用のカキがおいしいということになりますが、それ以外の食べ方であれば、塩水で洗っていない加熱用のカキのほうがおいしいといえないことも無いのです。

鮮度がいいうちは生食用、売れ残った生食用を加熱用に流用するわけではなかったのですね。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。