[953]化学肥料と有機肥料



今日は肥料の話。

化学肥料も有機肥料も植物の栄養源となることに関しては同じです。しかし植物に吸収されるまでの経路が若干異なるのです。

化学肥料は無機肥料と言い換えてもいいでしょう。植物の三大栄養素「窒素・リン酸・カリ」は無機質ですが、化学肥料はそれを化学合成し、直接植物に働きかける効率の良い肥料として開発されました。発明といってもいいくらいです。化学肥料自体が悪いということはありません。

一方で有機肥料は、植物に与えるのではなく、土中の微生物に与える食料のようなものです。土中の微生物は有機肥料を食べて、それを窒素・リン酸・カリなどの無機質に分解します。植物はそれを自分の栄養として根から吸収するのです。

有機肥料も化学肥料も結局は同じなのです。しかし、なぜ化学肥料が問題になっているのかというと、収穫を欲張るあまり、多用しすぎたからなのです。

近代農法はハウス栽培など季節感もなくなるほど効率を追っています。本来の季節ではない時期にも収穫しようとしているのですから、植物は当然病気や病虫害に弱くなります。本来の季節に生き生きと生育する植物は病虫害にも抵抗する能力があるのですが、それが発揮できません。

そこで登場するのが農薬です。農薬は病気や害虫を駆除しましたが、同時に土中の微生物も駆除してしまいました。その結果、有機肥料を蒔いても分解することができず、植物は栄養とすることができません。

有機肥料を蒔いても全然効かないところに登場したのが化学肥料です。これは直接無機質を植物に吸収させますから、肥料効果はてきめんです。かくして農薬と化学肥料の悪循環が生まれた、というわけです。

化学肥料と農薬によって死滅してしまった土を蘇らせるのは容易ではありません。有機肥料を蒔いてもダメです。その前に微生物に復活してもらわなければなりません。それには腐葉土や堆肥などを大量に混ぜ込み、自然の治癒力を待つしかありません。

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