[975]ホトトギスの托卵

托卵とは他の鳥の巣に自分の卵を産み付け、他の鳥に自分の子を育ててもらう自然の仕組み。どうしてそうなったかは定かではありませんが、ホトトギスを含めカッコウの仲間は托卵することで有名な鳥類です。

ホトトギスはウグイスの巣を見つけると、すかさず卵を一個産み付けます。もちろんすでにウグイスが卵を産みつけている巣でないといけません。そしてウグイスの親に気づかれないように、その場でウグイスの卵を一個下に落として数を合わせるのです。

卵の色や大きさもウグイスの卵と同じです。ホトトギスは30cmのある鳥、ウグイスは15cmくらいの小さな鳥なのに卵の大きさが同じというのも托卵のためにそうなってきたのでしょう。

そうして生みつけられたホトトギスの卵はウグイスよりもほんの少し早く孵ります。生まれたホトトギスの雛は、まだ孵っていないほかの卵を巣から全部落としてしまいます。こうしてホトトギスの雛は親の愛情を一身に受けるのです。

しかし、ウグイスの親も「どうも変だ?」と感じるのでしょう。卵が自分のものでないと察するとそれを落としてしまい、最近では托卵に失敗する例もあるようです。そしてホトトギスは今度は違う種類の鳥に托卵することを覚え、自然界では托卵の追いかけごっこが始まることとなります。

他の鳥に自分の子を託すのは、ずるいと思われるでしょうが、これが結構大変なのです。まず体の大きさがぜんぜん違うのに、同じ大きさの卵を産まなくてはなりません。色の形も同じにする必要があります。繁殖期も同じにしなければなりません。また、親が離れている一瞬にその巣に産み付ける技が必要です。そして親に感付かれることが多くなってくると今度は他の種類の鳥に托卵するために、それに似た卵を開発しなければなりません。

ホトトギスの托卵は、多種の鳥にしますが、それぞれ托卵相手の卵の形状や色が違うため、メスの専門職が決まっているのです。ウグイス専門に托卵するメス。ミソサザイ専門に托卵するメス。同じメスが色々な鳥に托卵するのではなく、それぞれに特化しているところがすごいですね。

ココまでするのなら、自分で育てたほうがよっぽど楽なのでは?と思ってしまいます。ホトトギスの仲間は自分で子供を育てられないという説もありますが、自分で育てる夫婦もいるとか。自然は色々な進化の過程で色々なパターンを用意している典型といえます。すべては未来に向けて...。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。