[979]ナンテン(南天)

のど飴の原料にもなるナンテンは「難を転ずる」という語呂合わせから、縁起の良い植物として古くから親しまれています。開花期はちょうど今頃の6月から7月の梅雨時。注意することは花を雨にあてないようにします。雨に当てますと花粉が雨で流れてしまい実付きが悪くなってしまいます。

冬の風物詩として雪で作る雪ウサギの目はナンテンの実、耳はナンテンの葉で作ります。また木の幹は水分を多く含むので燃えにくく、防火のためにも重宝したようです。いずれにしても魔除け、災難除けとして役に立っていたようです。

家の片隅に植えておけば、殺風景な冬の庭に赤い実をつけ、人々の目を楽しませてくれます。古くは1230年に名月記に記されているところからかなり古くから親しまれてきた植物です。しかし近年ではその種類が激減し明治時代には122種もあったナンテンは現在では40種ほどしか現存しません。まさに身近な絶滅種なのですね。

ナンテンは赤実ナンテンのほか白い実がなる白ナンテン、オレンジ色の実が美しいウルミナンテン、実がならず葉の色が五色に変わるオカメナンテンなど鑑賞に耐えるものが多いです。ナンテン実は鳥たちの冬の貴重な食料となってしまうため、11月霜の降りる前に葉と実を包むように新聞紙でくるみ、大晦日の夜に取り外しますと赤い実と緑の葉のコントラストがお正月に楽しめます。

ナンテンは日陰でも良く育ちますが、紅葉と赤い実を楽しむには、日当たりの良い場所に植えます。日に良く当てないと緑色は増しますが紅葉しません。ナンテンは和風の庭やお正月に用いられるため和もののイメージがありますが、鉢植えにすると洋風の家にも不思議にマッチするようです。冬の南天は夏の今が用意どきです。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。