[1024]メープルシロップ

子供の頃、母親がホットケーキを作ってくれるのはいいのですが、かかっているシロップが蜂蜜でがっかりしたことを覚えています。もちろん蜂蜜でもおいしいし栄養も満点なのですが、やはりホットケーキにはメープルシロップがうれしい。

メープルシロップはその名のとおりカエデの樹液から採れる甘いシロップです。産地はなんといってもカナダはケベック州。北の気候がカエデの生育によいのでしょうか、ブランドともいえる老舗のシロップ屋さんが今なおしのぎを削っています。そういえばカナダの国旗はカエデのマークですね。

カエデといっても日本の楓とは若干種類が違うようで、主に「シュガーブッシュ」といわれるサトウカエデから採取します。樹木の幹に傷をつけ、バケツをぶら下げて採取するのが伝統方式。直径30cm以上の太さのサトウカエデ一本から約40~80リットルの樹液が採れます。

採取する時期は、春先の3月から4月まで。冬の寒さから暖かくなりはじめるときに樹木の中のデンプンが酵素の働きで糖化され、それに根から吸収された水分が加わってメープルシロップの樹液となるのです。

採取された樹液はこれも伝統の「シュガーシャック」と言われる小屋の中で沸騰させ濃縮させ製品になります。このときの煮詰める技が品質に左右されます。40リットルの樹液も最終的に製品になるのはわずか1リットル。毎年2月の収穫の時期には、シュガーシャックでお祭りが催され、ホットケーキやワッフルにシロップをかけて皆で収穫を祝います。

メープルシロップは砂糖に比べて果糖の割合が大きく、血糖値を上げにくいことから、糖尿病の予防や、糖尿病患者の甘味料に向いているといわれています。また樹液の恩恵として多くのミネラル分を含み、特にメープル自体カルシウムの多い土地で育つため、カルシウムを多く含みます。

メープルシロップは蜂蜜に似た琥珀色をしていますが、この色は薄いほど高級品です。カナダでは5等級に分けられていますが、最高級品は「エキストラ・ライト」または「ベリークリア」といわれるグレード。樹液を煮詰めただけの、もちろん混ぜ物はありません。今度メープルシロップを見かけたらすかさずグレードをチェックしてみましょう。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。