[1085]輸血禁止の宗教

重病で輸血をすれば助かるのに、本人が輸血を拒否し、死亡するという事件が起こっています。

信仰上の理由で輸血を拒否している宗教団体「エホバの証人」信者の妊婦が5月、大阪医科大病院(大阪府高槻市)で帝王切開の手術中に大量出血し、輸血を受けなかったため死亡したことが19日、分かった。病院は、死亡の可能性も説明したうえ、本人と同意書を交わしていた。(2007/6/19毎日新聞)
このエホバの証人という宗教は、もとをたどるとキリスト系の宗教なのですが、本家キリスト教からは異端児とされていてその扱いには困っているようです。

「エホバの証人」は「ものみの塔」ともいわれ布教活動に特に力をいれている集団です。暑い中、きちんとした身なりで子供を連れて各戸を訪問している10人くらいの団体を見たことがあるでしょう。この人たちはエホバの証人の人たちだったりします。

「エホバの証人」はその特異な教義とマインドコントロール性があるため、カルト宗教として危険視する動きもあります。確かにあちこちで見かける立派な「エホバの王国会館」はその資金の豊かさといい、なんとなく怪しげな雰囲気があることは確かです。

エホバの証人の教義は以下の通りです。

・輸血をはじめとする、血を取り入れることの拒否
・参政権の拒否(選挙はしない)
・格闘技は禁止(剣道、柔道なども禁止)
・国旗敬礼、校歌斉唱、国歌斉唱は拒否
・結婚外の性交渉、自慰行為、過度の飲酒、タバコは禁止
・崇拝に十字架を使わない
・クリスマスを祝わない
・葬儀など宗教的行事(焼香など)は拒否
・初詣、正月、七夕、年賀状、墓参りなども行なわない
・脱会者とは口をきくことを禁止

全てのエホバの証人は最低月に1回は宣教活動に参加することが求められていますが、それは最低線で、熱心な信者は自らの職業を放棄し宣教活動に専念するものも少なくないといいます。

輸血の拒否については各国でも物議をかもし、裁判も行なわれていますが、最終的に治療の選択は本人の判断によるとされ、エホバの証人が裁判で争ったケースではエホバの証人側が勝訴するなど、輸血治療に大きな影響を与えていることも事実です。

宗教の自由は憲法でも保障されていますが、あまりに熱心な信心は非信者の親兄弟や親族との断絶をもたらし、夫婦仲の崩壊や離婚はもとより、子供の人権を侵害しかねないということもあります。

しかし、生活や社会生活に支障をきたすほどの、宗教にのめりこむのは本末転倒だと思うのですが、本人たちはそれがわからないようで、そのあたりに宗教問題に潜む、奥深い暗闇を垣間見る思いがいたします。

※本稿は、エホバの証人を否定するものではありませんし、何人とも信教の自由は憲法で保障されています。

※カルトは宗教色の強い排他的な宗教団体のこと。その個性的な教義により社会との軋轢を起こす宗教を本来の宗教と区別する意味で「カルト」と呼びます。

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。